はじめに|雨の日こそ、絵本で心に晴れ間を
6月といえば、毎日のようにしとしと降る「梅雨」の季節。
外で遊べない日が続くと、子どもがぐずったり、退屈したり…保護者の方も少し気が重くなってしまいますよね。
でもそんな時こそ、絵本の時間が頼れる味方になってくれます。
雨の音や傘、カエルやあじさいなど、“今この時期”ならではの世界が広がる絵本を選べば、
子どもたちの心はぐっと動き、ちょっとしたおうち時間が特別なひとときに早変わりします。
今回は、保育士として実際に読み聞かせの中で「反応がよかったもの」や「季節感を感じられるもの」を中心に、
年齢別(0~6歳)で梅雨にぴったりのおすすめ絵本を10冊ご紹介します。
お子さんの成長段階に合わせて、「こんな絵本があるんだ」と知っていただけたらうれしいです。
親子の笑顔がふえる、そんなきっかけになりますように。
【年齢別】梅雨にぴったり!おすすめ絵本10選

【0~1歳向け】ことばと音、絵のやさしさで「雨」を感じる絵本
まだストーリーを追うのはむずかしい年齢ですが、耳から入る音や、目に飛び込む色、繰り返しのリズムは大好き。
水に触れたときの感覚を絵本を通して体験できる作品がおすすめです。
■『かさちゃんです』(作:はせがわせつこ/絵:こいでやすこ|福音館書店)
赤ちゃんが持つ「かさちゃん」の視点から描かれる、雨の日のお散歩。
語りかけるような文とやわらかな絵が、赤ちゃんの五感にすっと入ります。はじめての「傘」体験にもぴったりです。
■『あめかな!』(作・絵:U.G.サトー|福音館書店)
「ぽつん ぽつん あめかな?」というシンプルな音と絵で、雨のはじまりを表現しています。
視覚・聴覚で雨を感じることができ、0〜1歳でも集中して見つめる赤ちゃんが多い絵本です。
■『おさんぽおさんぽ』(作:ひろのたかこ|アリス館)
赤ちゃんが雨の日におさんぽへ。音や水たまりを発見する小さな冒険。
親子で「これはなに?」と会話しながら読みやすく、お出かけ前にもおすすめの1冊です。
【2~3歳向け】ストーリーと絵に共感!雨の日の発見が楽しい絵本
言葉がどんどん増えてきて、ちょっとしたストーリーも楽しめるようになる年齢。
この時期は、雨や水たまり、雨の日に出会う生き物など、「生活の中にある水」をテーマにした絵本がおすすめです。
■『あめぽったん』(作:ひがしなおこ/絵:きうちたつろう|くもん出版)
ぽったんぽったん、雨の音といっしょに身近な世界がふくらむお話。
リズミカルな言葉に子どもが引き込まれ、読んでいるうちに雨音を楽しめるようになります。
■『ぞうくんのあめふりさんぽ』(作:なかのひろたか/絵:なかのまさたか|福音館書店)
ぞうくんと仲間たちが雨のなかをお散歩。どんどん背中に乗っていって……?
くり返しの展開とユーモラスなオチで、2~3歳の子どもに大人気。声に出して読んで楽しい絵本です。
■『かさ さしてあげるね』(作:しらゆきえみか/絵:うえだしげこ|ひさかたチャイルド)
雨のなか、動物たちに「かさ、さしてあげるね」と声をかけながら優しさを分け合うお話。
やさしさのやりとりに心があたたまり、読後に「誰かにやさしくしたい」気持ちになる一冊です。
【4〜6歳向け】科学や探究心をくすぐる「水」のふしぎ絵本
自然や現象に「なぜ?」を感じ始めるこの時期。
「なぜ雨がふるの?」「水はどこからくるの?」といった“考える”きっかけになり、探究心を育てるのにぴったりです。
■『あめふり』(作・絵:さとうわきこ|福音館書店)
大雨でも元気いっぱい!ばばばあちゃんと子どもたちが泥んこ遊びで大騒ぎ!
雨の日の退屈を「創造力」に変えるヒントがたくさんつまっています。
■『おじさんのかさ』(作・絵:佐野洋子|講談社)
「わたしのワンピース」の作者が描く、かさがぬれるのを嫌っていたおじさんが変化していくお話。
ユーモアの中にやさしい気づきがあり、大人も子どももじんわり心が動く名作。
■『あめのもりのおくりもの』(作:村上しいこ/絵:長谷川義史|PHP研究所)
雨の日の森の中で、小さな「おくりもの」を届ける動物たちの優しいお話。
関西弁のセリフと、長谷川義史さんの温かい絵で、読み聞かせにも笑いと感動を呼ぶ一冊です。
■『どうして あめが ふらないの?』(作:たかい よしかず|絵:あべ 弘士|童心社)
雨が降らないとどうなるの?水の大切さを子どもにもわかりやすく伝える絵本。
科学的な視点が入っていて、年中〜年長の子に「自然と人の関係」を伝える導入にぴったりです。
【おまけ】おうちでも楽しめる!梅雨にぴったりの遊びアイデア3選
簡単なのに盛り上がる!保育現場でも人気の水あそび3選
絵本で“雨の世界”を楽しんだあとは、実際に遊びの中に取り入れてみると子どもの感動が何倍にも広がります。
ここでは、保育園でも人気の「雨を感じられるあそび」を3つご紹介します。
どれも準備が簡単なので、おうちでもすぐに始められますよ。
1.《雨のしずくアート》紙と水でにじみ絵あそび
2.《ぴちぴち♪新聞紙あそび》傘・雨・水をイメージしたごっこ遊び
3.《ペットボトルの雨音マラカス》おうちで雨の音を作ろう!
詳しくは後日、あそび方をくわしく紹介する記事を公開予定です。どうぞ楽しみにお待ちくださいね!
まとめ|雨の日こそ、絵本で心あたたまる時間を
梅雨の時期は、外に出られずに「今日も雨かぁ…」と気持ちが沈みがちになる日もありますよね。
でも、そんな日こそ、お子さんとぎゅっと寄り添って絵本を楽しむチャンスです。
今回ご紹介した絵本は、どれも「雨」「水」「かさ」など、6月ならではのテーマがぎゅっとつまったものばかり。
読むことで、子どもたちは自然や季節の変化に興味を持ったり、自分の体験と重ねて想像を広げたりと、心が豊かに育っていきます。
「この前読んだ絵本とおんなじ雨だね!」「あの傘の子、絵本の〇〇ちゃんみたいだね」
そんな小さな気づきや会話が、きっと親子のかけがえのない思い出になるはずです。
雨の音を聞きながら、のんびり絵本をめくる時間――
忙しい毎日の中で、そんな“ゆっくり流れるひととき”も、子どもにとっては心を育てる大切な時間。
ぜひ、おうちでも園でも、この季節ならではの絵本の世界を親子で楽しんでみてくださいね。